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12月11日(日) みずほ証券とジェイコムの騒動に関して一考

ジェイコム株「61万円で1株のつもりが1円で61万株」の一連の騒動に関して、結局は12月8日の終値77.2万円に金曜日と月曜日のストップ高と仮定した値幅制限20万円分を上乗せした金額あたりで現金決済するということになりそうだ(ソース)。8日にストップ安で仕入れた人は57.2万円が97.2万円まで3営業日で膨らんだことになり、これはなかなか例のない「濡れ手に粟」っぷりだねぇ。

決着の付け方について

これは僕は妥当な決着の付け方だと思っている。実際に放っておけば100万円でも200万円でもつけたかもしれないけれどそれでは混乱を増長させるばかりで解決からかえって離れてしまいそうだし、だからといって77.2万円で決着をつければ政府と東証によるみずほに対する過当な保護という非難と不満が生じただろう。

いまジェイコム株を持っている人も色々言いたいことはあると思うけれど、まぁ3営業日で40万円丸儲けすればおおかたの人は満足、あるいは満足しなかったとしてもそれなりに納得してこの決定を受け入れてくれることだろう。

みずほ証券は昨年の収益が280億円だったそうだけれど、未回収分の10万株×40万円とすればこの時点で損失額は400億円に達してしまうので、経営陣も株主も涙が出そうに違いない。あるいはもうすでにどこかで涙を流しているか。みずほ証券自体がみずほ持ち株会社としてではなく単体で東証に上場されていれば、これはこれでおもしろかったかもしれない。

2chでは、この1円で61万株の売り注文を誤発注したのはディーリング部門に入って日の浅い24歳女子社員であったとか、12月8日(誤発注の当日)はみずほ証券の自己ディーリング部門の忘年会があったはずなのにこの事件のせいで2005年の忘年会は中止になり逆に2005年は社員にとって忘れられない一年になってしまったとか、色々な噂が流れていた。証券会社の自己売買部門ともあろうところが1株だけという極めて小さい単位で注文を出したこと自体が不思議に思えるが、これも24歳のOLが研修として発注したものだと言われればなんとなしに信憑性も生まれてくるから不思議なものだ。もっとも、この24歳OLによる誤発注だという説はその後は別のカキコミによって否定されていた。

ミスをしたことについて

それにしても、各テレビ番組等や証券評論家などもみんな言っていることと同じになってしまうけれど(みんなが言っていることと同じようなことをいうのは不本意ではあるけれど)、やっぱり証券の自己売買部門で人的な注文エラーをシャットアウトする何らかのセーフガードが必要であった。

たとえば病院の電子オーダリングシステムで患者さんに薬を出すときには通常使用量の数倍量を一度に処方しようとしても機械がその投薬指示を受け付けてくれない。手術中に血圧や患者さんの呼吸に変化があればけたたましいアラームが鳴り、正常血圧に戻して麻酔医が確認ボタンを押すまでこのアラームは止まらない。病院以外ではどういうセーフガードがあるのか僕はよく知らないけれど、たとえば鉄道だってスピードを上げすぎたり駅で正しく減速しなければ自動で緊急ブレーキがかかるようになっているはずで、そこで運転士がいくら加速しようとしても機械が強制的にブレーキをかけることだろう。これは病院にしろ鉄道にしろ、一つのミスが及ぼす悪影響がどれだけその後のダメージにつながるかを認識しているからこれだけ厳重に管理されているのである。となれば、なぜ15,000株しか公開・上場されていないものを61万株も空売りできるのか、現在値66万円のものがなぜ1円で売り注文を出せるのか、そこのあたりに改善点はあるはずだ。

みずほ証券のミスを見て、おそらく他の証券の中でもいくつかのところはあわてて自社の自己ディーリング部門のシステムを確認しているところがあることだろう。ちょうど横国や東京医大でミスをやるたびに医療機器がミスを予防する機械を実装するようになり、尼崎の事故の後で鉄道のATSに対するチェックが厳しくなってきたはずだ。そういった改善があったのと同じように、証券会社のシステムももっと洗練されてゆくことだろうと思う。

追伸

ところで、もしこのチョンボをやったのがみずほ証券ではなくて例えばライブドア証券だったりしたら、金融庁や東証は果たしてライブドア証券を助けるためにこれほど色々な特別措置を取ったりしてくれたんだろうか?それともやっぱり「みずほ」の名前が大事だったのかな?

2005/12/11(日曜日) 4:50

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